承認欲求の正体を知れば、人の評価に振り回されなくなる

「嫌われたくない」
「もっと認められたい」
「評価されない自分は価値がない」

こうした思いに、心が押しつぶされそうになったことはありませんか?
私自身、20代の営業職時代に飛び込み営業で断られるたびに「自分はダメだ」と感じて鬱のような状態にまでなった経験があります。
セラピストとして独立した後も、指名の数が減ると「向いていないのかも」と落ち込み、人の評価に心を支配されていました。

そんな私を長く苦しめたのが 承認欲求 です。
承認欲求を正しく理解すると「なぜあんなに苦しかったのか」がわかり、自己否定に振り回されなくなります。

今日は心理カウンセラー、そしてレイキ師範としての学びと経験から「承認欲求の正体」を丁寧に解説していきます。

1. 承認欲求とは?心理学の基本から

心理学者マズローは、人間の欲求を5段階に整理しました(有名な「欲求段階説」)。

  • 第1段階:生理的欲求(食事や睡眠など、生きるために必要な欲求)
  • 第2段階:安全の欲求(安心して暮らしたい、安全でいたい)
  • 第3段階:所属と愛の欲求(仲間に入りたい、愛されたい)
  • 第4段階:承認欲求(認められたい、尊重されたい)
  • 第5段階:自己実現の欲求(自分らしく生きたい、可能性を発揮したい)

この中で「承認欲求」は4段階目に位置しています。
つまり、人が「安心して暮らせる基盤」が整ったときに次に出てくるのが「人に認められたい」という気持ちなのです。

承認欲求には2種類あります:

  1. 外的承認:他人に褒められる、評価される
  2. 内的承認:自分で自分を認められる

健全な承認欲求は人を成長させます。
でも「外的承認」に偏ると、心が常に他人次第になってしまうのです。

2. 承認欲求が強すぎるとどうなるのか

承認欲求は悪いものではありません。
しかし強すぎると、次のような心のクセが出やすくなります。

  • 人の反応に過敏になる(少し無愛想にされたら「嫌われたかも」と思う)
  • 褒められると一時的に元気になるが、評価が下がると一気に落ち込む
  • SNSの「いいね」の数で気持ちが左右される
  • 自分の行動基準が「どう思われるか」にすり替わってしまう

これらはすべて「他人の評価」という、自分ではコントロールできないものを基準にしているからです。
その結果、心は常に緊張状態に置かれ、ストレスや自己否定が積み重なっていきます。

3. アドラー心理学から見た承認欲求

アドラー心理学では、承認欲求を「人生を縛る思い込みの一つ」として捉えます。
アドラーは「他者の評価は他者の課題であって、自分の課題ではない」と説きました。

👉 つまり、人があなたをどう思うかは、その人の価値観や状況に左右されるものであり、あなたがコントロールできるものではないのです。

この視点を持てると、承認欲求に振り回されにくくなります。
「嫌われたらどうしよう」と思ったときに「それは相手の課題」と切り替えられると、心の負担がぐっと軽くなるのです。

4. 承認欲求から自由になるためにできること

💡ステップ1:「人の評価は変えられない」と認める

無理に変えようとするほど苦しくなる。
「評価は相手の自由」と割り切ることが第一歩です。

💡ステップ2:自分で自分を評価する

「今日はここまでできた」
「勇気を出して行動できた」
小さな成功を自分で認めることが、内的承認につながります。

💡ステップ3:結果ではなくプロセスを認める

承認欲求にとらわれやすい人は「結果=自分の価値」と思い込みがち。
でも、本当に大切なのは「行動した事実」や「取り組んだ姿勢」です。
たとえば「発表がうまくできなかった」としても、準備したこと・挑戦したことを認めれば、心は大きく救われます。

💡ステップ4:価値観の優先順位を見直す

「人に好かれること」よりも「自分の誠実さを守ること」
「評価されること」よりも「挑戦すること」
自分の価値観を優先することで、外的承認への依存が減っていきます。

まとめ

承認欲求は人間にとって自然な欲求。
でもその正体を知り、「他人の評価はコントロールできない」と気づくだけで、自己否定に振り回される回数は減っていきます。

あなたの価値は、誰かの評価ではなく、自分自身が決めるものです。

👉 承認欲求を理解したうえで、次は「課題の分離」「自己受容」の実践が大切です。
詳しくは関連記事をご覧ください。

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