感情を消そうとしないセルフヒーリング|レイキ研究ノート第001号・後編
7. レイキでは、感情にどう向き合うのか
レイキは、日本で生まれた手当ての実践です。一般的には、身体に軽く手を当てたり、少し離して手をかざしたりしながら行います。レイキには、生命を支える根源的なエネルギーとつながるという伝統的な世界観があります。
私自身も、この考え方を大切にしながら実践しています。一方、そのエネルギーの存在や作用の仕組みが、現在の科学によって確立されているわけではありません。ここでは、日本伝統式レイキの実践者として、私が大切にしていることをお伝えします。
① 何とかしようとしない
不安があるとき、私たちはすぐに答えを探そうとします。でもセルフヒーリングでは、必ずしも答えを出す必要はありません。手を当てて、今の自分を感じてみる。
安心できる時間を持つ。まずは、それだけでもいいのです。
② 身体の感覚に意識を向ける
頭の中で考え続けているとき、私たちは身体の感覚にあまり注意を向けていないことがあります。手の温かさ。呼吸の動き。
お腹や胸の感覚。そうしたものに、静かに意識を向けてみます。何か特別な感覚が生まれなくても構いません。
③ 感情を無理に消そうとしない
悲しみが出てきたなら、悲しみがあってもいい。何も感じないなら、それでもいい。泣くことも、泣かないことも、どちらが正しいということではありません。
深く感じようと無理をする必要もありません。今の自分にとって無理のない範囲で、自分と向き合うこと。私は、それを大切にしています。
8. レイキ中級で広がる、心へのアプローチ
日本伝統式レイキには、初級・中級・上級という段階があります。初級では、レイキの基本的な考え方や、手当て、呼吸法などの実践を学びます。そして中級では、シンボルやマントラを用いた応用技法へと学びが広がります。
日本レイキ協会の体系では、心や感情、習慣的な反応に意識を向ける実践や、離れた人に向けた遠隔ヒーリングなども扱います。伝統的なレイキの世界観では、時間や空間を超えて働きかけるという考え方があります。ただし、これらはレイキの体系における説明であり、時間や空間を超えたエネルギー作用が科学的に証明されているという意味ではありません。
私が興味深く感じているのは、こうした実践を日々続けていく中で、自分自身の心の反応を、以前より丁寧に見つめられるようになってきたことです。「どうして私は、こんなに腹が立つのだろう?」「何を失うことが、そんなに怖いのだろう?」
「この反応の背景には、どんな思い込みがあるのだろう?」レイキの実践と、仏教による観察、そして感情の手放し。私の中では、これらは互いに切り離されたものではなく、少しずつつながってきました。
これから、この研究ノートでも、そのつながりを探究していきたいと思っています。
9. 今日からできる、小さな実践
レイキを学んでいなくても、自分を大切にする時間はつくれます。例えば、考えすぎて疲れたとき。静かに座って、お腹や胸元など、自分が心地よいと感じる場所にそっと手を置いてみてください。
そして、今の自分に問いかけてみます。「今、私は何を感じているだろう?」不安かもしれません。
怒りかもしれません。何もわからないかもしれません。どんな答えでも構いません。
わからない自分を、責める必要もありません。ただ、今の自分に気づいてみる。もし不快な感覚が強くなったら、無理に向き合い続けず、目を開けて周囲を見たり、実践を終えたりして構いません。
自分を理解しようとすることと、自分を追い込むことは違います。
自分への優しさも、大切な実践の一つだと思います。
おわりに|感情を消さなくても、自分らしく生きていける
私は、仏教を学び、瞑想を実践し、そしてレイキと出会いました。それぞれから、多くのことを教わってきました。そして今、強く感じていることがあります。
人は、頭で理解することだけでなく、実際に体験することを通しても変わっていける。
知識を得ることは、とても大切です。でも、その知識を日々の実践と結びつけ、自分の身体や心で確かめていくことで、理解は少しずつ深まっていきます。私は、レイキに出会えて本当によかったと思っています。
そして、心から変わりたいと願う人には、ぜひ一度、レイキを学ぶという選択肢も知ってほしい。自分自身に手を当て、自分の内側に静かに向き合う時間。それは、私の人生を大きく変えた実践の一つだからです。
もちろん、感情と向き合う道はレイキだけではありません。仏教も、瞑想も、心理的な支援も、それぞれに大切な役割があります。どの道を選ぶかは、自分自身で決めていい。
私はただ、自分が体験してきたこと、学んできたことを、ここに記していきたいと思います。
感情をなくすことよりも、感情があっても、自分を信頼して生きられること。
その可能性を、これからも探究していきます。
足立みずほ|日本伝統式レイキ師範
灯-TOMORI-日本の「道」の精神で、癒しを探究する。灯-TOMORI- 公式サイト
参考資料
- NPO法人日本レイキ協会「一般的レイキ講習の段階と学ぶ内容」 協会資料
- 厚生労働省eJIM「レイキ」 科学的根拠と安全性に関する情報
※この記事は、筆者自身の体験・仏教や思想の解釈・研究知見を区別しながら紹介するものです。レイキによる特定の疾患や症状の治療効果は確立されておらず、医療や心理的支援の代替ではありません。心身のつらさが続く場合は、専門家にご相談ください。